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格差社会

 NHKスペシャル『急増“働く貧困層”』を見る。
 生活保護水準以下の所得で生活する家庭は、日本の全世帯の十分の一にのぼるというデータが紹介されていた。所謂ワーキングプアの問題が大きくクローズアップされている。

 セーフティネットが機能しなくなるような現状は、雇用や保健の問題を筆頭にこれからもどんどん悪化していくだろうと思う。もちろんそれを政府の失策と非難することは出来ようが、全てを先送りにしてきた今のこの国に(今日ほど国力が低下していることは予想できなかったにせよ)もはや回復の見込みは無いと思う。

 もう一点。
 ポストモダンと言われた時代がやってきたときに、このような現状は容易に想像できたはずだ。
 私は、政治的には共和制を、文化的には貴族主義を支持する。これは、アイロニーではない。
 主体として考えることを放棄してしまった国民にも、その責任はある。
 我々はそろそろ自分の尻は自分で拭くことを学習しなくてはならない。
 現実に今日の現状で最も被害を被っているのは、高齢者(年金生活者)や病気を理由に労働が困難な社会的弱者なのだから。
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by ecrits | 2006-07-24 04:20 | 身辺のこと

Samuel02226君へ

 Samuel02226くん、お返事が大変遅くなりました。申し訳ありません。
 ご質問の件に関してお答えさせて頂きたいと思います。

 先日の憲法9条をまもる愛媛県民の会ではお世話になりました。また、大変お疲れ様でございました。私とは初対面だったにもかかわらず、君が積極的に発言してくれたおかげで、周囲の学生達も大変触発された様子で、様々な意見の飛び交う、良い勉強会になったのではないかと思います。重ねて御礼を申し上げます。

 さて、ご質問の内容に関してですが、護憲の姿勢を「建前の理念でやればいい」ということに反対する、というものでしたね。

 まず、最初に申し上げておきたいのは、私は「建前の理念が重要だ」とは言いましたが、とにかくその一点張りでゴリ押しすればいいとは思っていません。それでは、旧左翼の人たちがやっていたことと何も変わりがありません。それは極めて素朴な意味で全く駄目だと思います。
 私はGHQが戦争放棄を謳った九条を「押し付け」たのは失敗だったとかなんだとか、そういう議論には一切興味がありません。また、それはほとんど無意味に近いものだと思います。重要なのは、この条文が、武力保持をネグレクトするために非常に有効である、というところだと思います。
 抽象論ばかりになるようですが、何人もいかなる理由であれ他者を傷つけてはならない、これが理想です。「非戦」はそのために統制的理念(カント)として働くでしょう。本当は無抵抗主義が最も良い方策だと思います。殴られたこと自体をネグレクトするのですから、殴った方にとってこれ以上効果のある反撃はないでしょう。しかし、現実的な問題として、それでは上手くいかない。
 私は、無抵抗主義のポーズをとりながら、九条を国連声明に盛り込むことが現状で為し得る最良の方法だと思っています。だから、建前の理念が大事だ、と言ったのです。もちろん、現在の国連機構に満足してはいません。多々問題があることは知っています。それに、例えば北朝鮮のような国が国連約定を無視してミサイル実験をしないとも限りません。
 しかしながら、そこに建前の力が働くのだと思います。実際、北朝鮮の例を取れば、あれは極めて幼稚な脅しに過ぎないわけで、自国の醜態をさらすようなものです。経済制裁を含めた様々な圧力であの程度の、謂わばチンピラの脅しすかしに似た「暴力」はなだめてしまえるでしょう。
 繰り返しますが、私は九条は建前であっていいと考えています。建前を軽んずる人は、建前がいかに足枷となって身動きが取れなくなるかを理解していないのです。建前は理想的であるからこそ意味があるのです。そこで矮小なホンネに開き直って、ミサイル発射基地への直撃空爆なら自衛の範囲内だとか言ってもしかたがない。相手の醜態に醜態で返事するようなものです。

 私は理論は現実に試されなければ意味がないと思います。
 我々が出来ることは口先だけではありません。
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by ecrits | 2006-07-20 02:23 | 質疑応答

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 7月8日土曜日、午後1時30分から、松山大学820番教室にて、私も参加している「憲法9条をまもる愛媛県民の会」が主催する講演会があります。講師に、鶴見俊輔氏をお招きする予定です。私も参加します。
 講演会の後、若手が集まって勉強会をやります。私もうろ覚えのことを偉そうにしゃべる予定です。

 皆様ふるってご参加ください。
 鶴見さんの顔を見に来るだけでも価値があるでしょう。
 そうして、ちょこっと護憲のことを考えてみてください。

 昔(有事法制関連法案審議のとき)、浅田彰が今のような時代だからこそ、まっとうな右翼は護憲派に回るべきだ、と言ったことがあります。この言葉が現在ほどヴィヴィッドに響くことはないでしょう。
 私がやっていたECRITSもそうですが、二枚舌、三枚舌の「理念」が必要な時代だからこそ、民族派の人も、私のような活動家崩れの連中も、いっしょになって考えることが必要なのです。「憲法9条をまもる愛媛県民の会」は、そういうtranceな場所でありたいと考えています。
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by ecrits | 2006-07-07 01:10 | 身辺のこと